京大、宇宙から地上への伝送実験施設を公開

京都大学は9月28日、宇治キャンパス(宇治市)に新設したマイクロ波によるエネルギー伝送実験施設を関係者に公開しました。同大学は、世界最大規模の施設で、宇宙空間で太陽光発電し地上に送電する「宇宙太陽光発電所」の実現をめざしています。

施設は電波を遮断する電波暗室(約18メートル四方)や計測室を備えており、2010年11月に施設が完成、本年度から利用を始めています。照射方向を自由に変えられる世界最先端のマイクロ波エネルギー出力機器「フェーズドアレー」(1・5キロワット)や受電機器を備え、この日は発射したマイクロ波を解析するデモンストレーションなどを行いました。

宇宙での太陽光発電は、人工衛星に取り付けた大型の太陽電池パネルで発電し、マイクロ波で地上に送電します。電気からマイクロ波への変換効率の改善などが課題で、生存圏研究所の篠原真毅教授(マイクロ波工学)は「人工衛星による実証実験に使用する高性能の機器開発につなげたい」と話していました。

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